
何故、幸運は平等に訪れないのか。
何故、努力しても報われないのか。
何故、確実なもの意外手に入らないのか。
何故、夢は叶わないのか。
何故、願いは届かないのだろうか。
何故、想いは伝わらないのだろうか。
世界を疑い始めた僕。
世界を信じられなくなった今・・・・・
僕はこの世界で生きていくことが出来るだろうか?
始まりは何の変哲もない建物の中だった。
何も変わらぬ平静から・・・・・
死は突如現れた。
僕は逃げた。
真っ先に逃げた。
圧倒的で絶対的な死から。
助かる術はあるのか?
逃げ切ることは出来るのか?
ただ、がむしゃらに走った。
まわりには血のにおい。
次に飛び散るは隣を走る子の血か?
それとも僕の血か?
背後から死の気配が遠のいていく。
助かったのか?
僕らは身を寄せ合い生を確かめる。
その時だった。
僕らは囲まれていた。
近づかれすぎて気がつかなかったのか。
散る散る散る・・・・・
男の子が。女の子が。
そして僕が。
その時。
確かに見えた。
確かに聞こえた。
「いたい うらんでやる くるしい のろってやる たすけて ころしかえす」
それは転がるものからの意思。
僕だったものからの意思。
血のにおい。
生の終わり。
これは夢か?
そう思った瞬間、目に写るものが変わった。
隣には小さな男の子と女の子が寝ている。
それは私の子供達。
僕は私になっていた。
そして僕の記憶がどんどん消えていく。
僕が消えていく。
どんどん私になっていく。
嫌だ。怖い。
今までの僕がなくなる。
今までがすべてなくなる。
私の記憶が埋め込まれる。
真実はどちらか?
僕か?私か?
今は僕、数分後には私。
それこそが死で死後で再生か?
目が覚めた。
夢と現実。
どちらがどちらなのか。
今の世界はどちらなのだろうか。